
車にはさまざまな種類の税金が課せられています。車検を受けるとき、継続して所有していくときなど、多くの場面で税金を支払わなければなりません。税金の種類が多すぎて、いつ、どんな税金を支払っているのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
特に自動車の購入をはじめて検討している方は、車のデザインや大きさ、排気量などだけで車を選んで購入すると、あまりの税金の高さにびっくりする可能性があります。せっかく好きな車を選んで購入しても、税金のために暗い気持ちになってしまっては元も子もありません。後悔しないよう、事前に確認が必要です。
そこで今回は、自動車の税金の種類一覧と、それぞれの詳細を解説していきます。ご自身が所有している自動車に、これから購入予定の自動車にどれほどの税金かかるのかを把握していきましょう。
■POINT
- 車の購入、所有には思いのほか多くの税金がかけられている!
- 実は、車を動かすための燃料にも多くの税金がかけられている!
- 自分が購入したいと考えている車に、どういった税金がかかるのか把握することが重要!
もくじ
自動車に関する税金の種類と支払いのタイミング

車の税金を支払うタイミングは、購入時・毎年・車検時の3つに分けられます。それぞれのタイミングによって支払う種類が異なりますので、下記の表で抑えておきましょう。
この表を見ると、購入時に一番多くの税金が発生していることが分かります。車を購入する予定のある方は、
車両価格よりもさらに価格が上がることを心得ておくと良いでしょう。
| 購入時 | 「環境性能割」(旧・自動車取得税) 「自動車税種別割」(旧・自動車税) 「軽自動車税種別割」(旧・軽自動車税) 「自動車重量税」 「消費税」 |
| 毎 年 | 「自動車税種別割」(旧・自動車税) 「軽自動車税種別割」(旧・軽自動車税) |
| 車検時 | 「自動車重量税」 |
| 随時 | ガソリン車「揮発油税」と「地方揮発油税(旧・地方道路税)」 ディーゼル車「軽油引取税」 LPG車であれば「石油ガス税」 すべての燃料に「消費税」が付加 |
豆知識
2018年に突如議論され始めたのが走行税の導入です。現在ではまだ検討中となっており、税制大綱にも具体的には盛り込まれていませんが、クルマが走った距離に対して課税をするという考え方で、燃料関係税の代わりになるものと言われています。
実際に、電気自動車や燃料電池自動車ではガソリンを使わないために、保有ユーザーの燃料関係税の負担はなくなります。
こういった理由で電気自動車などを検討されているかたも方もおられると思いますが、燃料の使用料が減り、税収が少なくなることから、どのクルマでも一律に走った距離に対して課税をしようと考えているのが走行税です。
電気自動車などの普及が進んでいくと、燃料関係税のかわりに、現実味を帯びて導入される可能性のある新たなクルマに関する税金が検討されているということは、理解しておくべきでしょう。
車の税金詳細

環境性能割(旧・自動車取得税)
新車や中古車を問わず、購入時の取得価額が50万円を超える場合に課税されます。取得価額によって大きく変動する特徴があります。
取得価額は、実際に支払った価格ではありません。メーカー希望小売価格のおよそ90%とされる「課税標準基準額」に、カーナビなどのオプション品の価格を足したものです。車両本体価格だけにかかるわけではないので注意しましょう。
税率は購入した車の燃費性能に応じて変動し、普通車は0%~3%、軽自動車・営業用車は0%~2%です。
中古車の場合も税額の算出方法は同じですが、取得価額の算出方法が異なるので注意が必要です。中古車の取得価額は、課税標準基準額に年数によって定められた「残価率」を掛けることによって算出されます。経過年数が多いほど取得価額が安くなる仕組みです。
自動車重量税
車の重量で算出される税金です。新車を購入した際や、車検を行う際に発生します。車検証に記載された車両重量が重量として規定され、優れた燃費・排出ガス区分で適用される「エコカー減税」や、経過年数などの要素によっても税額が変動します。
普通自動車
500キログラム増加するごとに税額も増えていく仕組みです。例えば、新車購入時で次の車検まで3年分の場合、車両重量が500キログラム以下で1万2,300円であるのに対し、500キログラムを超えて1,000キログラム以下となると2万4,600円です。さらに、2,500キログラム超えで3,000キログラム以下は7万3,800円にもなります。
このように、重量によって大幅に税額が変動するのが分かります。
軽自動車
軽自動車は異なり、重量は関係なく一律の税額です。例えば、新車(エコカー減免なし)購入時で次の車検まで3年分の場合9,900円です。
エコカー減税に関しては、電気自動車であるかといったことや、その車が規定の排ガス低減や燃費基準を達成できているかで適用されるかが決まります。新しく発売された車の方が排ガスや燃費などのエコ分野に強いため、新しい車ほど減税される可能性が高いことになります。
自動車税種別割(旧・自動車税)
毎年4月1日の時点で車を所有していた場合に支払いの義務が生じます。新規で登録した際は、登録日翌月から翌年3月31日までの月数に応じて税額が決定します。排気量に応じて税額が変動し、排気量が多いほど税額も上がる仕組みです。
例えば2019年10月1日以降に登録された車では、1,000cc以下で2万5,000円、1,000cc超1,500cc以下で3万500円といった具合で段階的に税額が上がっていきます。一番上の6,000cc超になると、11万円にもなるので、かなりの変動幅があることが分かります。
※( )内は2019年10月1日以降に登録された車
| エンジンの排気量 | 税額 |
| 660cc超~1000cc未 | 29,500円(25,000円) |
| 1000cc超~1500cc未満 | 34,500円(30,500円) |
| 1500cc超~2000cc未満 | 39,500円(36,000円) |
| 2000cc超~2500cc未満 | 45,000円(43,500円) |
| 2500cc超~3000cc未満 | 51,000円(50,000円) |
| 3000cc超~3500cc未満 | 58,000円(57,000円) |
| 3500cc超~4000cc未満 | 66,500円(65,500円) |
| 4000cc超~4500cc未満 | 76,500円(75,500円) |
| 4500cc超~6000cc未満 | 88,000円(87,000円) |
| 6000cc超~ | 111,000円(110,000円) |
自動車税種別割は国税ではなく都道府県税のため、お住まいの県から納付のお知らせが届きます。車検の際には自動車税を納付したことを証明する「自動車税納付証明書」が必要なため、お知らせが届いたら5月末までに支払いを行いましょう。もし延滞した場合は、延滞金が加算されてしまいます。
さらに、もし延滞し続けてしまうと督促状が届きます。それでも納付しない場合は「催告書」が届き、最悪の場合は預金が差し押さえられます。納付のお知らせが届いたら、忘れないようになるべく早めに納付すると良いでしょう。
軽自動車税
自動車税と同様に、毎年4月1日時点で軽自動車を所有している場合に納付義務が発生します。
自動車税と異なる点は、月割制度がない点と税額が一律である点です。軽自動車の税額は、一律で1万800円となります。年度の途中で軽自動車を購入した場合、月割りで税金を納付する必要はありません。次年度からの納付となります。
自動車税は排気量が多いほど税額も上がる仕組みでしたが、軽自動車税の場合は排気量がどの車種も同じであるため、税額も一律となります。
燃料課税
電気自動車や水素自動車などを除いて、車を走らせるのに必ず必要なガソリンや軽油などにも税金があります。レシートを見ると「消費税」とだけ書かれているので、一見すると消費税しかかけられていないように思えます。しかし、燃料代の中にはさまざまな税金がかけられています。
消費税の他にも、ガソリン車には「揮発油税」や「地方揮発油税」がかけられています。これらの税金は、国や地方の道路の整備や建設費用にあてるための財源として設定されました。ディーゼル車の場合は「軽油引取税」、LPG車の場合は「石油ガス税」が発生します。
これら4つの税金は、燃料代の中でもかなりの割合を占めます。ガソリンを例に挙げると、仮に1リットル100円とすると、その半分近くは揮発油税や地方揮発油税です。自動車を購入する際の税金や所有する際の税金と合わせて、燃料にまで多額の税金がかけられているというのが事実です。
消費税以外は、ガソリンスタンドの売り上げだと思っていた方も多いのではないでしょうか。ガソリンスタンド側としては、税金として持っていかれる部分が多くなります。また、消費税との二重課税という問題もあり、今後どういった対応がされていくのか注目されている税金です。
消費税
商品やサービスを購入した際に発生します。食料品や衣料などを購入する際に発生するように、車やオプション品などを購入した際にも発生します。
また、車検を行った際にも消費税が課税されます。車検の際に必要な重量税・自賠責保険・印紙代は「法定費用」と呼ばれ、これらには消費税はかかりません。しかし、車検代行料や整備費用、工賃などのサービスには消費税がかかります。
さらに、車検の際に悪い箇所が見つかった場合の部品代にも消費税が発生します。この部品代は車検のときだけではなく、日々のカーライフの中で故障によって部品を交換した際にも発生します。
車を走らせるのに必要なガソリン代にも消費税は発生しますし、カー用品店などで商品を購入した際にも発生します。さらに、高速道路の料金にも消費税は含まれています。車を所有している以上、最も支払う回数が多い税金が消費税と言えるでしょう。
まとめ

ここまで、自動車にかかる税金の種類一覧や、それぞれの税金の詳細を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。自動車にはかなりの税金がかかるのだと知り、驚いた方もいらっしゃるかもしれません。
自分が購入したいと考えている自動車にかかる税金を知っておかないと、購入してから多額の税金がかかり「こんなはずではなかった」と後悔してしまう可能性もあります。
思い描いたカーライフが送れるように、自分が購入したいと考えている自動車にどういった税金がかかるのかを把握しておき、カーライフがより豊かになるようにしましょう。


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