
新車を買って車両保険に加入すると、保険会社によっては「新車特約」を付けることができます。
ここでは、新車特約って何?の疑問にお答えします。
もくじ
車両保険を使っても、新車は買えないって本当?

自動車保険の車両保険が補償するのは自動車の時価相当額です。新車を購入できる金額ではありません。
車両保険の保険金額(保険金が支払われる上限額)は車の時価相当額で設定しますが、時価相当額は、どんどん下がっていきます。
| 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | |
| 時価 | 450万円 | 350万円 | 320万円 | 290万円 | 260万円 |
特に1年目(新車)から2年目になると、大幅に下がることが多いです。
新車を購入して2年目や3年目というと、まだまだ新車同然に走ることができますが、全損したとしても車両保険で受け取れる保険金は、同クラスの新車に買い換えるのに十分な費用には足りません。新車特約がついていれば元の車の新車価格相当額を上限に再購入費用を保険金として受け取れるので、安心して同クラスの新車に買い替えることができます。
新車特約のメリット

メリット1 新車を購入できる
最大のメリットは事故で自動車が大破したとしても、新車購入費用が補償されることです。
一方、繰り返しになりますが車両保険が補償するのは時価相当額が限度。
新車特約を付けている期間は、「まだ車は新しかったのに乗っていた車よりグレードの低い車を選ばないといけない…」といった悲しい状況はなくなります。
メリット2 もらい事故にも対応可能
自分に過失がないもらい事故の場合は相手方の対物賠償保険で補償を受けられますが、これも時価額までです。よって補償額だけでは新車を購入することはできません。こちら側の新車特約を使用すれば新車購入費用まで補償されます。
新車特約のデメリット

保険料が高い
新車特約の保険料は、保険会社によっても異なりますがだいたい3,000円から10,000円ほどです。金額に幅があるのは、年々上がっていくからです。
新車特約の注意点

注意点1 新車特約の設定がない保険会社も
新車特約の対象となる期間は新車購入(初度登録)から11か月~73か月まで保険会社により異なります。 また、そもそも新車特約の取り扱いのない保険会社もありますので事前に確認が必要です。
注意点2 もらい事故で使用する場合
もらい事故で新車特約を使用する場合は注意が必要です。というのも、新車特約から補償されると翌年の等級が3等級ダウンして保険料が上がってしまうんです。
そのため、新車特約から補償される金額と、等級ダウンした場合の翌年の保険料を比較してから判断した方がよいでしょう。翌年の保険料は損害保険会社の事故担当に聞けば教えてもらえます。
注意点3 使う時の条件
新車特約が使えるのは、新車購入価格の50%以上の損害を受け、さらに車の主要部分に損害が起こった場合のみです。
ボディーや内装大きく損害を受け、損害額が新車購入相当額の50%以上になってもフレームやエンジンに問題がなければ走行可能なので全損扱いにはなりません。
また、あくまでも新しい車を購入するための補償なので、新しい車を購入しないと新車相当額は保証されません。修理して乗り続ける場合は修理代の補償しかされないのでご注意ください。
車の買い替えにも期限があり、一定期間内に買い替えないと無効になってしまいます。
注意点4 車両保険の対象とならない事故は対象外
車が全損や半損以上となったとしても、それが車両保険の対象とならない事故で生じたものであれば新車特約の対象外となります。例えば無免許運転や酒気帯び運転などで生じた損害や故障による損害、地震・噴火・津波による損害などです。どのような場合に補償対象となるのかはしっかりと確認しておきましょう。
注意点5 盗難は対象外
車が盗難されて見つからなかったという場合、車両保険では全損扱いとなりますが、新車特約の対象にはなりません。盗まれてしまわないようにしっかりと自己防衛をしておく必要があります。
車の時価は年々下がっていきます。時価の下がった車を補償をしなくてはいけないので、保険料は年々上がっていってしまうのです。ただ、ローンなどが残っている人は、それでも加入した方がいいこともあります。
まとめ

新車特約は基本的に大きな事故で車が使えなくなった場合を想定して必要かどうか判断することをおすすめします。
- 車が全損してもローンは残るので、ローンの返済が必要な方
- 車が生活に欠かせない方で保険契約した車と同等レベルの自動車が必要な方
その他には、新車購入金額が高いことにより、保険金額が早い段階で目減りしてしまうような方は保険金額と新車価格の乖離がおおきくなりますので、新車特約をおすすめします。


コメント